
『鉄腕バーディー DECODE:02』もついに最終話です。
最後に残されたのは、切ない想いと、少しの希望。
添えられていたちょっとした SF 的ギミックは、そこにいろいろと想いと意味を見出せるほどの心憎い仕掛けだったかなと思います。


最初は復讐のため、そのうちにイクシオラの力をただ使うために傾倒していったナタル。ナタルのバーディーへの想いが強すぎるためか、ついにバーディーとも戦闘になってしまいました。
そのナタルを止めたのはつとむでした。
ナタルと戦闘になって倒れたバーディーを助けるため、そしてナタルの優しさを知っているからこそ投げかけることができたつとむの言葉が、バーディーを救い、ナタルの心も救いました。ここでも二心同体という設定が活かされた感じがします。
つとむ 「バーディーはこれからも人の命を救う。バーディーにしか出来ないことがある」
この言葉でナタルは我に返ったのでしょうか。
そして思い出したのでしょうか。過去の出来事を。
ナタルはジャンプして過去のセントラルタワー爆破テロ事件の日に着地して、バーサーカーの最後の攻撃からバーディーを救いました。そして幼いナタル自身も。
この少し前にバーディーはテロ事件のときに自分を抱えて助け出した人物はナタルだと知ったようでしたけど、どう考えても背丈、つまり年齢が合わなかったのですよね。ナタルも同じく小さな子供だったはずなのだし。
でもこれで謎が解けました。テロ事件でバーディーを助けて抱えていたのは未来の(オトナの)ナタルだったのです。

ナタルが過去に戻ってバーサーカーの攻撃を止めなければ、おそらく少女バーディーは死んでいました。
ナタルが少年ナタルに声をかけて踏み止まらせなければ、このあと少年がオトナになってイクシオラのチカラに目覚めることも、そしてそのチカラを使って2人を救うことも出来なかったのです。
これで過去の思い出の謎がつながりました。
ナタルが救ったのは自分自身とバーディーの命。ナタルは呪われたイクシオラのチカラを復讐ではでなく、命を救うために使うことが出来たのでした。
ナタルは彼にしか出来ないことをやり遂げ、自分を取り戻せたのではないでしょうか。
少年ナタルにバーディーを託したナタルは再びジャンプしてそのまま姿を消してしまったようです。おそらくもう復讐のことは考えていない、と思います。
ナタル 「その子を、守れ」
このとき少年にかけた言葉は自分自身への言葉です。ナタルのバーディーへの想いも込められています。いろいろ深いなと思いました。
ジャンプ能力を使った反動を考えると、ナタルはそのままもとの世界へ戻れずに、あるいは戻れても死んでしまったかもしれません。その可能性は高いはず。でも、そうでない可能性だってあります。
いつかナタルがバーディーの前に現れるかも…、その希望は残された結末でした。
あくまで隠匿しないとダメなのか、「ジャンプ能力を持つイクシオラ開発など存在しなかった」とする連邦政府の見解も別の意味で切なさを増長させますね(´・ω・)。いつの時代も権力や組織の暗部は闇へと葬られるということですか。

『鉄腕バーディー DECODE:02』、終わってみればどちらかと言えばナタル側の切ない物語だった気がします。
ナタルのバーディーを想う気持ちと復讐にかられた強い怨念の感情、それと一連の事件の中でのダイナミックな戦闘は堪能出来たかなと思います。
作画がよく描かれている、美しいということはないかもしれませんけど、動きや迫力、臨場感という点では終始すごかったですね。見せ方は上手いと思いました。戦闘シーンは惹き込めたら勝ちだと思います。
小夜香が登場してつとむのほうも描かれるのかなと期待しましたが、そっちは尺的にも無理だったようで。ま、仕方ないですね。いちおう第1期で描かれていますし。
カペラとイルマ、そして有田しおんも面白いキャラでした。とくにカペラはちょっとした活躍も思わぬ退場劇もありましたから( ̄▽ ̄)
全体としては面白い作品でした。
この作品を作ってくださった制作者さま、CAST さまには感謝したいです。ありがとうございました。
加えてここまで記事を読んでくださった方、TRACKBACK でお世話になりましたブロガーの方々にも。どうもありがとうございました。また別の記事でもどうぞよろしくお願いします。
鉄腕バーディー DECODE:02 第01話 「After All」 感想
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鉄腕バーディー DECODE:02 第03話 「Somewhere in Time」 感想
鉄腕バーディー DECODE:02 第04話 「Tears Are Not Enough」 感想
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はじめまして。
- 2009/04/02(Thu) 01:59茶葉 #- [] [編集]
Chelさん、はじめまして。
Chelさんの最終回の感想を読んで、文句ばっかり思いつく自分が悲しくなりました(^^;
確かにナタルが少年ナタルに声をかけなかったら、ナタルがイクシオラの力を呪うことも、誰かの命を助けるためにイクシオラの力を使うこともなかったんですよね・・・。
ナタルがどうしてイクシオラへの憎悪を解消できたのかがよく分からなかったので、Chelさんの感想を読んで自分の中でこんがらがってたことがスッキリした気がします。
完全な自己満足ですが(笑)
これからもまた来たいと思いますので、そのときはよろしくお願いしますね。ではでは。
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- 2009/04/02(Thu) 02:47Chel #uWMNODuI [] [編集]
▼茶葉さん
あら、違う記事ですけどちょうど入れ違いだったようです。
こちらのコメントでははじめまして、こんばんはです。
>ナタルがどうして
合ってるかどうかはいつも自信がないのですけど、そう思いました。納得していただけると書いた自分としては嬉しいです(・∀・)
こちらこそどうぞよろしくです。
コメントありがとうでした!
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