Little Colors

ロザリオの授受はなかったけれど、姉妹のこれからに思いを馳せることのできる、いい終わり方でした。
この日をずっと待ち望んでいましたけど、何て言いますか、二人の物語はスールの契りを交わした後もずっと続いていくものなんだと改めて感じた最終話なのでした。

帰りのバスの車内で、瞳子が安心しきったように祐巳に寄り添って寝てしまったのが、すべてではないでしょうか。

瞳子は自身の出生の秘密を祐巳に打ち明けました。祐巳には自分のすべてを知ってほしかったから。…そこには瞳子の祐巳への強い想いと、瞳子の心の変化が見えました。
まだこの時点では瞳子は祐巳の返事を聞いてませんし、すでに固まっている祐巳の思いも知りません。
ただ瞳子は祐巳に知っていてほしかった。自分の殻に閉じこもって逃げてばかりでは想いは届かないといまはもう知っているから。想いを届けたいのなら何をすべきかを知っているから。






瞳子 「私を祐巳さまの…妹にして頂けませんか!?」

遡ってヴァレンタインデー企画当日の終了間際、薔薇の館での一幕。瞳子のこの台詞からわたしの気分はクライマックスでした。
瞳子の素直な気持ちがやっと表に出たと思うと嬉しさで胸がいっぱいで(ﾉ∀`)。瞳子を抱きしめたい。


祥子さまはおそらくカードの在り処が分かってたはずなのに、権利を瞳子に譲りました。
さすがは祥子さま。祥子さまは祐巳の想いも瞳子の想いも知っていたから、彼女たちのために身を引きました。閉じていた瞳子の心が解けたのを感じて嬉しかったというのもあるかなと思います。
実際に祐巳を立たせたのは瞳子だったことも間違いではありませんけれど、祥子さまがオトナの対応を取ったという印象です。
さすがは祥子さまです。大事なことなので2度言いました。





自分の気持ちを知り、素直に言えたことで、瞳子はすっかり変わりましたよね。

瞳子のスールの申し出以降、周りは騒ぎになっているけど、瞳子は笑顔を祐巳に向けるようになっていました。以前とはまったく表情が違います。
「定期で行けるところなら、ひとり 2,000 円のランチが食べられるよ」という祐巳の言葉に、ふふと笑った瞳子の笑顔を見てわたしは涙目になりました。･ﾟ･(ﾉД｀)･ﾟ･
この心からの笑顔がずっとずっと見たかったのです…！(つд｀) 瞳子ぉー。






語られた瞳子の秘密。
育ててくれた大好きな松平家の病院を継ぐこと、恩返しをすることが瞳子の"生きていく拠り所"なのでした。

• 16年前に交通事故で瞳子は両親を失った
• 唯一の肉親の（父方の）祖母には瞳子を育てる余裕がなく、施設に入る直前の瞳子を松平家が引き取った
• 小さい頃に「病院を継ぐ」と言った瞳子の言葉が祖父を喜ばせた
• その郊外の松平病院は3年後に閉鎖
• 瞳子が医師免許を取るのは無理なので医師と結婚しようとしたら反対された
• 知り合いの夫婦が病院を手伝ってくれてて任せることにした
• そのことで瞳子は「自分はもういらない子」なのだと思い込んでしまって、家を飛び出した

病院を存続させるために瞳子が医師と結婚しようとしたことに反対されたのも、瞳子の進みたい道を行けばいいと言われたのも、それはぜんぶ松平家の瞳子への愛だと瞳子はもう気付くことが出来ると思います。





ツインテールドリルは松平のほうの母親なのですね。血は繋がっていなくても"母親譲り"なのだと思ってしまいました。
そして瞳子が祖父を含めて松平の家族から愛されているというのも、瞳子が家族を大好きだというのも、すごく伝わってきます。



帰りのバスでの二人はとてもイイ雰囲気でした。
祐巳のことを最初キライだったことも、それから祐巳にどんどん惹かれていったこともすべて話した瞳子。でもキライだったのは憧れの裏返し。
その瞳子のすべてを受け止めた祐巳。祐巳は瞳子の手をそっと握りしめました。このときの瞳子の嬉し恥ずかしの照れた表情はもう最高です(*´д`*)
夕日の中を走るバスの情景と、いい感じに落ち着いた情感の BGM もとても良かったです。



"いままで黙って自分の中に溜めるだけだった思いの丈を、思いっきり吐き出せばいい。
文句はいくらでも聞いてあげるのに。だって私たちは、スールになるのだから。"

疲れたのか、そのうち祐巳の肩にもたれかかって寝てしまった瞳子が可愛い(*´д`*)

"明日学校に行って――、それから――。"

祐巳のスールの返事はもう決まっているのです。

ロザリオの授受を実際には行わなかったことで、きっと明日には行われるスールの誓いとそのままその先の二人のことまで想像してしまうので、二人の物語はまだまだこれからなんだという印象を持ちました。
ロザリオの受け渡しをして〆て END よりも想像が広がっていいカモ、と思ってしまいました。わたしの勝手な思い込みかもしれませんけど。




『マリア様がみてる 4th シーズン』、たぶんに原作が好きという贔屓目もありますけど、本当に素晴らしい作品でした。

尺のため端折られたエピソードも多いのですが、この第4期は"祐巳×瞳子の物語"だと思ってますので、その点ではしかたないと思うと同時に、上手くまとめられてると感じられて満足です。
原作を途中までしか読んでいなくて姉妹の契りになるお話をいまかいまかと待ち続けて、その通りになって嬉しくて、二人のそこへ至る描写もかなり感情移入ができて、本当に面白く最後まで見られました。
祥子さま×祐巳も好きでしたけど、祐巳×瞳子がもっと好きになりました。わたしはどうあっても紅薔薇属性のようですね。

OP/ED テーマは誰が何と言おうとも最高の曲です。どちらの歌詞も作品の内容と合ってて、OP は少し POP な感じで軽やかに、ED はとても切なく歌い上げていると思います。大好きです。映像も好きです。

この作品を作ってくださった制作者さま、CAST さまには感謝したいです。ありがとうございました。

加えてここまで記事を読んでくださった方、TRACKBACK でお世話になりましたブロガーの方々にも。どうもありがとうございました。また別の記事でもどうぞよろしくお願いします。





第5期マダー？ヽ(￣▽￣)ﾉ




マリア様がみてる 4thシーズン 第01話 「学園祭はショック2」 感想
マリア様がみてる 4thシーズン 第02話 「特別でないただの一日」 感想
マリア様がみてる 4thシーズン 第03話 「妹オーディション」 感想
マリア様がみてる 4thシーズン 第04話 「未来の妹」 感想
マリア様がみてる 4thシーズン 第05話 「紅薔薇のため息」 感想
マリア様がみてる 4thシーズン 第06話 「予期せぬ客人」 感想
マリア様がみてる 4thシーズン 第07話 「未来の白地図」 感想
マリア様がみてる 4thシーズン 第08話 「くもりガラスの向こう側」 感想
マリア様がみてる 4thシーズン 第09話 「仮面のアクトレス」 感想
マリア様がみてる 4thシーズン 第10話 「キーホルダー」 感想
マリア様がみてる 4thシーズン 第11話 「ハートの鍵穴」 感想
マリア様がみてる 4thシーズン 第12話 「クリスクロス」 感想
マリア様がみてる 4thシーズン 第13話 「あなたを探しに」(最終話) 感想