
異形とは姿やカタチではなく、存在そのものの本質のことでしょうか。
"屍姫の異形"とは屍姫の屍としての本質。つまりヒトではなく死んでいながら動く死体だということ。人間にとっては異形以外の何モノでもないもの。
屍姫は屍を倒すためだけに存在する。
その理をはずれるとき、契約僧はその目的を果たせなくなるのだと思います。誰かを守ることは出来ないし、自分の命さえも落とすことになります。


かつて屍姫の異形を知らず、僧としての責務を果たせなかった嵩征。
嵩征は屍になった親友を殺せないし、異月のことが好きだから、異月に親友を殺せと命じることが出来ませんでした。どちらも屍なのに。人間ではないのに。嵩征にはどちらも人間や普通の女の子だとしか思えなかったから。
その結果、多くの人が犠牲になります。
嵩征はそのことをオーリに教えたかったのでしょう。オーリは眞姫那を屍姫と知っていながらも普通の女の子のように見ていますから。
かつて異月を想っていた嵩征だから、同じ道を辿ろうとしているオーリを僧として正しい道へ導きたかったのかな。…屍姫を想うことのつらさも知っているから、なおさらだと思います。
嵩征 「いまなら、言える。異月、鞆春を殺せ」
嵩征は過去の事件で本質を理解したのでしょう。異月への恋心が消えているのかどうかは分かりませんし、異月が自分を僧としての存在以上に想っていることも知っているはず、それでも嵩征は命じました。
車の中で、嵩征に「目の前の女の子はヒトじゃない、屍姫だ」と言われたときの異月の表情も印象的でした。異月はいまだに恋心のようなものを嵩征に対して持っているのではないでしょうか。
しかしいま、嵩征は契約僧として屍姫の異形を理解し、戦っています。それが嵩征の成長であり、僧としての責務で、必要なもの。
嵩征と異月の過去のエピソードが語られた後だけにちょっぴり切ないですね。学園生活のふたりはラブラブでしたからね(^^;
さて、オーリは?
ためらいもなく親友だった屍を殺すように屍姫に命じた嵩征を間近に見、オーリも嵩征の伝えたいことが分かったと思うのですが、この後オーリがどういう選択をするのかは正直ぜんぜん予想がつきません。
だってそう簡単に眞姫那を屍姫だと認めるような素地がオーリには見えないですから(汗)。
あるいは変わるなら――、そのきっかけは景世(のカタチをした屍)なのかもしれません。
オーリは異形を理解しないのか、認めつつも想いを捨てないのか。捨てるのか。前にも書きましたけれど、先が見えないので楽しみです。
いやホント、景世にはびっくりしましたけど!Σ( ̄□ ̄;)
いやしかし、アレは本当に景世の屍? 罠?
屍姫 玄 第01話 「光の道筋」 感想
屍姫 玄 第02話 「我が敵」 感想
屍姫 玄 第03話 「愛しき異形」 感想
屍姫 玄 第04話 「異月の貌」 感想
屍姫 玄 第05話 「性と未練」 感想
屍姫 玄 第06話 「幸福という怪物」 感想
屍姫 玄 第07話 「ありふれた望み」 感想
Comment
- コメントは承認制です。書き込みの内容はなるべくネタバレを避けてくださいね。記事の内容に関係のない独自の感想は反応に困ってしまいます。宣伝やマルチポストのコメントは気付きしだい削除させていただきます。あと返信に時間がかかる場合が多いです。ご了承くださいませ。そのほか詳しくは"このブログについて"をお読みください。
-
「異形を受け容れる」…。
- 2009/01/23(Fri) 23:27ペンギン座 #jVrB2T.. [] [編集]
いつもお世話になって居ります。
>異形とは>存在そのものの本質>
そうだと捉えます。それで問題はその本質なのですが…。
作中明示はされませんが、そこは「各自考えて」かと思われ。
わたしは、弊記事でも触れてますが、
屍姫 ⇒ 兵器/「仮の命」
という立場を採ります。
そこは「屍姫は人為的に制御可能なものとされた屍」でも、わたし自身が「屍」もヒトのカタチと捉えているのです。
人為的に「屍姫」となった「屍」と「性(さが)」を獲得する「屍」も(わたしに於いては)ヒトのカタチ。
>屍姫は屍を倒すためだけに存在する>
造り手の立場である”「光言宗」の側からは”、それはそうなります。
いずれにせよ、本質は?との問いに「~ではない」では説明にならないのです。そこは「人外の者」と云ってみても同じく説明にならない。
作中明示はされまいからこそ、そこは「各自考えて」かと思われ。
次の問題、「異形を受け容れる」といっても受け容れ方が一様ではない、ということ。
勿論、「兵器」と捉える関係で、「代替可能な・”消耗品”の・殺傷の道具」に感情移入すれば其れ即ち「兵器として用いる者」は死に至ります。
問題は更にその先であって、
嵩征が異月への想い(逆に異月が嵩征への想い)を全て断って 「兵器」・「それを用いる軍人」関係に至るか?なのですが。
(勿論、「割り切る」それでも良いのです。むしろ「軍人」としては「そうであらねばならない」こと。)
むしろ、究極選択:「生死を共に」/「どちらかでも行き残す」 の方に進んでもおかしくはない。
むしろ、わたしが嵩征の立場であれば、「生死を共に」を選びます。本性が化け物でも構いません。
逆に、わたしが異月の立場であれば、「嵩征だけでも行き残す」を選びます。たとえ自分の想いが「嵩征と共に」「生きる」でも。
なにかのご参考になれば幸いです。
今後とも宜しくお願い致します。
-
- 2009/01/24(Sat) 02:44Chel #uWMNODuI [] [編集]
▼ペンギン座さん
言われて気づきましたが、今回の"異形"に関しては、自分は「作中で製作者側はこういう意味で作っているのかな」という点で思ったことを書いてました。もちろんそれ自体、自分の考えが入っていて勝手に想像したり付け加えたりした結果ですけども。あと見当違いの可能性もあります。
>>屍姫は屍を倒すためだけに存在する
特にこれなんかそうですね。まさに光言宗の言ってるとおりの文言で(^^;
>異形を受け容れる
オーリと嵩征の受け入れ方はどうなりますかねえ。
違う方法になると思ってますけど。そうでないとシナリオ的に面白くないし。
…と、自分はそういう面から考えたりします。
>異月の立場であれば、「嵩征だけでも行き残す」を選びます
コレはちょっと興味を引きました。
そういえば異月も眞姫那も屍姫としては少し変わった存在なんですよね。これ以降異月にスポットが当たるかどうかは分かりませんけど、眞姫那とオーリがお互いにどう相手を受け入れていくかは面白そうです。
コメントありがとうでした!
Comment Form
Trackback
- TRACKBACK はお返しさせてもらっていますがブログ運営会社のサービス設定や通信状況によっては届かないことがありますのでご了承くださいませ。言及リンク(URL 記述)は必要ありません。そのほか詳しくは"このブログについて"をお読みください。
- *屍姫 玄 第4話「異月の貌」[ SERA@らくblog 3.0 ]
- 2009/01/22(Thu) 23:58
人に見えても屍姫は異形。 オーリは何度もそう言われてますね。 かつての嵩征も異月を普通の女の子みたいに見ていた。 しかし異月の異形を...
- *『屍姫 玄』第4話[ ウサウサ日記 ]
- 2009/01/23(Fri) 02:02
第4話「異月の貌」嵩征と異月の過去に関係する屍が現れた。屍姫が異形だと受け入れた出来事。
- *屍姫 玄 第4話「異月の貌」[ 日記・・・かも ]
- 2009/01/23(Fri) 12:34
「私、きっと…まだ生きたかったんだと思う」 嵩征と屍の鞆春が対峙する話。 鞆春役の勝杏里さんは、禁書目録の土御門の方でしたか。 最...
- *『屍姫 玄』#4「異月の貌」[ ジャスタウェイの日記☆ ]
- 2009/01/23(Fri) 16:20
「今は少しでも長くこの世にいたいと思ってる」 最強の『弦拍』の称号を持つ人間と契約し、少しでも早く天国へ行こうと 誤って何も知らな...
- *屍姫玄 4話 異月の貌[ 日常のぼやき ]
- 2009/01/26(Mon) 16:45
挿入歌の入り方は神がかってるんだけど・・・
- *屍姫 玄 #4.[ 色・彩(いろ・いろ) ]
- 2009/01/27(Tue) 13:30
「異月の貌」 マキナは再び浄房へ。権僧正自らの手による呪符を貼られたので、流石に
- *屍姫 玄 第04話「異月の貌」の感想。[ いーじすの前途洋洋。 ]
- 2009/01/28(Wed) 18:18
屍姫 玄 第04話 「異月の貌」 評価: ── お前を理に従って・・・死に帰す 脚本 會川昇 絵コンテ 佐々木...