
ウェブアニメ『planetarian ~ちいさなほしのゆめ~』の最終話の思いつくままに書いた感想です。
大戦後の荒廃した世界で出逢った屑屋の男とロボットの少女の交流の物語。変わり果てた廃墟の街に置き去りにされ、それでもずっと変わらずに人間を想い、ときに人間らしいロボのゆめみちゃんがかわいかった。そして心があったかくなるけど、切ない、とても面白い作品でした。ロボを意識したようなすずきけいこさんの CV もよかった。

ゆめみは「隠れていろ」という言いつけを破り、屑屋をかばって倒れました。内部が剥き出しになった機械のボディがゆめみがロボットだという事実を突きつけてくる。なのにそれでもゆめみの行動や想いからはゆめみがまるで人間のようで。そのギャップが胸を打つんですよね。グロテスクさを超えた美しささえ覚える。いったい何が人を人足らしめるのか。その問いかけと答えがあったように思う。ある意味で『planetarian ~ちいさなほしのゆめ~』はこのシーンのための物語だったんじゃないかな。
ゆめみちゃんの語りが少々冗長かなと思ったのはささいなこと。その語りの長さはゆめみが積み重ねた想い、じっと耳を傾ければゆめみちゃんの心に浸れる。
雨の雫が流れるはずのないゆめみの涙となったのは定番の演出として、いちばん胸にグッときたのはゆめみはスタッフや人間たちがもう帰ってこないことを寂しく思い、そんな自分を壊れてると思ったこと。ゆめみは壊れてると思い込まないと寂しさに耐えられなかったんだ。そんなのはもう人間やん。切ない。泣けてくる。

屑屋が街を離れるときに銃を投げ捨てたのも印象的でした。水溜りは壊れた世界で最後に流したゆめみの喜びの涙と屑屋の悲しみの涙。銃は武器の象徴。
このときに屑屋の進む道は心の奥底で決まっていて、行き倒れを拾われて「星屋」だと答えるときにはっきりとカタチになったと思う。主人公が星のめぐり合わせでロボの少女と出逢い、一緒に過ごすうちに変わっていき、自分の生き方を見つける物語。ゆめみの想いは主人公の夢となり、受け継がれてゆくことは何となく分かるから、最後の台詞はちょっぴり蛇足だったかもと思った。あえて無音でもよかった気がした。でもそれだと屑屋が星屋に変わる語感がなくなるから余韻が弱くなるかな。どうなのかな。




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おしながき ・弱酸性ミリオンアーサー #36 FEVER② ・planetarian~ちいさなほしのゆめ~ 第5章 ゆめみの願い