すべてが変わってしまったあの日の出来事。醒めない悪夢のはじまり。
何でもない日常が一転し、悪夢のような異変がゆきたちの楽しい日々を覆った過去を描いたお話でした。
めぐねえの覚悟のようなモノローグが胸にくる。場面切り替えの暗転とノイズが胸をざわつかせる。現況を知っていてもなお不穏な空気が重くのしかかる。そして切ない。めぐねえは、たぶんもう、死んでるんだね。りーさんが「4人でぴったり」って言った。「めぐねえもいるよ～」とゆきに言われて、みんな「あっ」という顔をしてた。
めぐねえは教師に向いてないと心配され、生徒と友だち感覚はどうのと指摘されてた。だけどそんなめぐねえにゆきやくるみが「めぐねえと一緒いるのはそんなに嫌いじゃないよ」、「めぐねえには話せる」と言ってた。めぐねえは生徒の心に寄り添って、向き合ってる、だから生徒はめぐねえに話せるし、めぐねえはそれに応えるようにちゃんと先生してるよ。
「生きている限りあの子たちを守りたい。わたしは教師なのだから」。きっとめぐねえは最期の瞬間までみんなの先生だったんだろうなと分かる。めぐねえに何が起こったのか、知りたいけど知るのがコワイ。でも見たい。
めぐねえは今週も食べてなかったね。めぐねえの見回りの光はゆき視点だからかな。それとも…？
街や学校の住人がゾンビに変わった日、学校の屋上の菜園でゆきたちと園芸部のりーさんは知り合い、そこでゾンビによる襲撃から逃れられたのね。めぐねえは先生らしく、非常時にとっさに判断して行動できてたと思う。
好きな先輩をスコップで打ち倒して何度も刺すくるみを抱きついて止めたゆきが優しいと思った。くるみの代わりに泣いたゆきは人の気持ちを自分のことのように思える、感受性豊かで優しい子だ。
だからいまのりーさんたちがゆきに過去の出来事を思い出せないようにしてる気持ちがよく分かる。悲しい過去を受け止められなかった繊細で優しいゆきを現実に引き戻すことなんてしたくないよね…。そしてめぐねえのことを大好きなゆきの心がいつ壊れてしまったのかと思うと、何だか分かってしまった気がして、切ない。
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