
『わすれなぐも』(Production I.G 制作)の感想です。







やられました。平穏な日常を静かな狂気が喰らった結末に、うはぁ…となりました。妖に魅入られてしまった者の行く末。無垢に見える少女の笑顔が怖い。ほんわか気味の絵と雰囲気だったのだけど、途中から不穏な空気が濃くなってきて、これはやヴぁそうだと思ってたらその通りのエンドになった、何とも言えない気持ちが残る怪奇ホラーでした。面白かった。
硯が最初に娘蜘蛛と出逢ったときは蜘蛛の手(脚)に刺されたのに、最後は自分のために頑張ってくれた瑞紀が母蜘蛛に喰われたというのに、娘蜘蛛の手(脚)をいとおしむように握るという対比がコワイ。硯がとっくに蜘蛛の糸にからめとられていたことを知ってるから何とも言えない後味が残る。おデコちゃん……。
そして瑞紀たちに忠告してくれた古書店仲間の爺さんも妖に魅入られた同類だったという 2段オチ。知らないだけで、妖や狂気はすでに日常を蝕んでいて、何ごともないふりをして街に溶け込んでいるんだ…。
あと「ロリコンは人の道を外れる」という教訓でもあったかもしれない((
上代の陰陽師も、古書店の店主も、ロリコンだったがゆえに妖の魔の手に堕ちたのだ。

娘蜘蛛とおデコちゃんが可愛くて、キャラの動きや背景の作画がとても良くて、ぞわりとくるお話が面白かった『わすれなぐも』でした。
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