
今回は"死者"について思ったことを書いてみました。
まず最初に書いておきますが、"死者"の特定や考察ではありません。わたしは考察系は苦手なので本当にふと思ったことだけです。もう少し言うと第8話のときに思ったことなのですが、記事にするタイミングがなくていまになりました。
あともしかしたら"死者"についての何かは原作のほうで鳴や恒一の台詞を通してすでに語られていることかもしれません。でもわたしは原作小説を読んでいないので、思ったままを好きに書いてみました。なので的外れな変なことを言っていても、こんな感想もあるんだ程度に生温く見守ってくださいね(汗)。
さて、"死者"そのものを考えたとき、まずは"なぜ死者が生き返ってくるのか"、でしょうか。
これはたぶん普通に考えて"やり直したい"のでしょうね。と言っても生まれ変わって人生をやり直したいとかではなくて、途中で終わってしまった3年生をやり直したい、ということです。何となく高校3年生も特別な時期に思えるのですが、その前の中学3年生も人生の中でわりと特別な1年間だと思います。生徒にも先生にもね。
なんて書きましたが、シナリオの理由付けとしては、残った側が机を用意して"いるもの"扱いしたことが大きいのでしょうね。だから場所を与えられた死者は「戻ってもいいんだ」と思った。そして生き返った。そういう現象の道筋が出来上がった。…ちなみに科学的理論はどうでもいいのです。もともとの出発点がオカルトなんだから!(^^;
で、次にどうなるかというと、記録と記憶の改竄です。考えるとこれも当然です。生き返ったのは3年生という1年間を無事にやり過ごすためなのだから、障害は取り除かなければなりません。ちなみに科学的理論は(略)。
同じ意味で"死者"が自分を"死者"だと分かってしまったら人として正常な生活が出来ないと思うので自分の記憶も改竄されます。
また途中で"死者"が死んだ場合の急激な改竄もその3年生を無事に過ごすという意志の名残なのかも。自分が関わったクラスなのだから無事にクラスとして卒業してほしい、みたいな。ちょっと無理やりですけれど。
だから卒業をすることで目的を果たせた"死者"は消えます。するともう改竄の必要性はなくなるので記録はもとに戻ります。"死者"が誰かも分かります。
その後みんなから"死者"の記憶が薄れていくのは、何と言うか自然的、あるいはすべてを内包する宇宙的真理です。本来死者なんて生き返らないのだから、いなくなった"死者"に関する記憶を消して元に戻そうとするチカラ、歪みを正そうとするチカラが働くのです。…いいんです、出発点がオカルトなんだから!(^^;
でもこの宇宙的摂理で"呪い"が説明できるのですよね。
"死者"は世界の摂理の歪み。なので本来この世にいない者をもとに戻す、死に還すチカラが"死者"に働きます。だけどなぜ"死者"が生き返るかというと、生きたいからですよ。ゆえに生に対する想いは誰よりも強い。…"死者"なのにね。
だから死のチカラが"死者"を中心にして周りに及ぶのです。そして人が死んでいく。"死者"がいなくなるか死ぬまで、ずっと。――それが"呪い"。
なぜ3年3組の関係者に限定なのかと言えば、そこが"はじまりの場所"で、"はじめてしまった罪"なのですよ、きっと。
でも本当は誰にも、"死者"にだってそのつもりはないのに、それでも人が死んでいく。いまとなっては、それだけのこと。
その"呪い"は生きるチカラが弱まった人にはより多く影響しやすいのではないかな。基準なんかなくて、ただ漠然とちょっと生きるのがしんどくなったような人たち。たとえば何かを諦めてしまったり。働いていればいろいろと仕事疲れも悩みもあります。治らない心臓病を抱えていれば…。とかね。といいますか、誰にだってそういうもの、そういうときは、ありますよね。
だとすれば、死んだ"死者"のほうがいま生きている人よりも生に対する執着心があるのかな、なんていう皮肉にも感じてしまったり、ね。
書きたかったことを好きなように書いたら今週の感想は何かもういいや的な感じが…(^^;
まさに惨劇でした。呪いの恐怖や憎しみをトリガーにして次々と起こってしまった出来事、死、悲しみ、理不尽さ、そのすべてが最後の鳴の決断につながっていくのが今回のお話だったと思います。
鳴は"死者"が誰かを知ったけれど言わなかった、あるいは言えなかった、でもこれ以上の悲しみが生まれるのなら"死者"を殺すべきではないのか、という葛藤の中、天秤の針が傾いたのですよね。そしてそれは死の色を感じ取れる鳴だから出来ることでもあって。決意が早いとか遅いとかではなく、普通の女の子にはやはり重いことだと思いますよ。

来週は"死者"が明らかになります。そして鳴と恒一の決断を見ることになると思います。そのときの彼らの思いや行動が視聴者に何を見せてくれるのか、怖くてまた楽しみです。
あとやっぱり泉美には生き残って欲しいです。


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