
歩みは少しずつ、ということなのかな。
小鳥遊ヨミと出灰カガリの関係はおおよそ前回で感じた通りのようで、今回はそこからマトの想いと叫びがヨミに自分の間違いに気付かせ、ヨミが前を向くことができたお話でした。
助けを求めながらもブラック★ロックシューターを拒絶していたデッドマスターが最後に心を取り戻して囚われていた鎖を引き千切ったのが分かりやすくてなかなか熱かったです。





カガリに嫌われるのは怖い、でもヨミと仲良くなりたい。ヨミに突き放されても傷付いてもまだヨミと向き合おうとするマトはわりと強い子でしたね。あるいは友だちのために頑張ったんだ。
だけどどうなのだろう? 首をはねられたチャリオットとどこか人が変わってしまったようなカガリの姿。カガリは微笑んだけれど、どこか違う、何かを無くしてしまった感じが…。
そもそもまだカガリは何も救ってもらっていませんよね。マトはヨミのために行動したけれど、カガリのことを、何が正しいか間違っているかではなくてその前の、本当に抱えている気持ちまで考えてあげられたのでしょうか。ヨミの言葉はカガリに届いていたのでしょうか。
ヨミは間違いに気付けた、でも経緯はどうであってもカガリにとってはもはやヨミがそばにいることがすべてで、いっしょに歩き出そうと言われてもそんなに簡単に心が受け入れるとは思えませんでした。いまのカガリには歩き出す足も勇気も心もないのだから。少しずつ沈んでいった心の闇は深く根を下ろしているはずで、ヨミはちょっと急ぎ過ぎたような気がしますよ。
でもマトやヨミが悪いのではなくて、こういったことも経験して、そしてみんなでまた前へ歩いていけばいいのですよね。たまには間違ったことをするけれど、大切なのはその先をどう進んでいくのか、ということ。
ここから今度はヨミとマトがカガリを鎖から解き放つのでしょうか。カガリの足には異常はないからたぶん精神的なもので、カガリが前を向けたらそのときはきっと歩けるようになるはず。
今後の少女たちの頑張りと成長に期待です。

色の話で、祭りでマトがヨミを待つ描写がちょっと印象に残りました。
最初に見上げた空の澄んだ青、それから夕日のオレンジ、そして紫。色というよりも情景のイメージかな。マトの気持ちと重なっているようでした。ヨミと一緒に遊ぶお祭りを想像して期待して、いつまで待っても来ないことに寂しくなってきて、最後にはほうっておかれた現実を突き付けられて。
「ごめんなさい」という返信があって、そのときに携帯電話のディスプレイに写り込んだ花火がまた切ないのです。キレイな花火なのだけれど、それはガラスに反射した別の世界で、ヨミと過ごすはずの楽しい時間は虚構の世界だったのですよね。見上げる花火の華やかさと落ち込むマトの対比がとても切なかったです。
マトはここからよく頑張った。





ところで虚の世界とのリンクや"誰かが代わりに痛みを引き受けてくれる"ということには直接的な意味はないと思っているのだけれど、どうなのでしょうね。裏世界に物語性を感じないこともないのですが。
虚の世界の時系列が入れ替わることはあっても、そのバトルの決着がこちらの世界の人間関係を変えることはたぶんないように思うのです。少女たちが傷付きながら成長して、答えを見つけたとき、あるいは失敗したときに、そのときはじめてバトルに決着が付くと思っています。
バトルは視覚や心情的に訴える演出でもあり、同時にある意味この作品の中でこのキャラクターたちを動かすための設定かな、と。
先生が言う「傷付くのは本当のあなたじゃない」というのも、受けた傷や現状を望まないのなら、立ち向かって努力して状況を変えて、本当に大切だと思うことを望みなさい、変えなさい、というようなことだと思いました。心の持ち方、捉え方の話なのかなぁ、と。
伝えたい気持ちが夢で通じるのもそういう想いや出来事があるというだけで。
簡単に言うとあれですよ、自分の気持ちを信じればいい。いま見えているものではなくて、心で感じた大切なものを胸に前へ歩き出して。きっと正解はそこにあるから、みたいな。
…そんな妄想をしたのだけど、じゃあブラックゴールドソーは?と訊かれると言葉をごにょごにょしてしまいますけれど。マトを導いたようにも見える納野サヤ先生にも何かあるような気もします。
BLACK★ROCK SHOOTER (ブラック★ロックシューター) OVA 感想
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ブラック★ロックシューター 第4話 「いつか夢見た世界が閉じる」 感想
ブラック★ロックシューター 第5話 「ブラック★ロックシューター」 感想
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