
ああっ、やっぱりこの作品は大好きだ。なので勢いのまま『夏目友人帳 肆』第4話の感想を書いてみました。

"人と妖が生きる時間の違い"――。『夏目友人帳』でこうゆうテーマが織り込まれた回ってどれも本当にいいお話なんですよね。いや毎回いい話なのだから、さらに心を揺さぶられると言ったほうがいいのかな。
ヨビコがようやく自責の念を乗り越えたときには、すでにヨウコは亡くなっていました。もちろん手紙の状態を見ればそうだろうと分かっていましたが、それでもその事実を聞かされたときにはどうにも寂しさを覚えてしまいました。
だけど再会という直接的なハッピーエンドでなくても、長い時間の果てに人と妖のお互いの想いだけは通じ合うことが出来た、そんなところに切なさとも温かさともいえる感情が湧きます。胸がキュッとするのにあったかいんです。こんな気持ちにたびたびさせてくれる『夏目友人帳』はだから好き。
それにこの"人と妖の時間の違い"にはわたしはいつも別の思いを持ちます。
前にも少し書いたのですが、それはニャンコ先生とレイコ、そしてニャンコ先生と貴志のことで、かつてレイコがそうだったように、いずれ貴志もニャンコ先生と別れるときが来るんですよね。それは決して逃れることのない運命です。だって貴志は人で、ニャンコ先生は妖なのだから。だからいまふたりがともに過ごす時間はその何気ない一瞬でもすべて意味があって大切なもので…それはすべての人に、あらゆることにも言えると思うのです。そう思うと何だか妙に感傷的になったりして……(^^;
この作品はそんなふうに観る人それぞれにいろいろなものを見せてくれると思うのです。そこがまた面白いのです。

妖ヨビコは登場の様子とはまるで違った、いい妖怪でした。優しくて真面目でストーカーまがいでツンデレっぽくて(笑)。ヨビコが貴志をだましたのは、それだけ必死だったからなのでしょうね。よくあることです。
ヨウコはヨビコが誰で何なのか分からなくても隆彦ではないことは気付いていたんじゃないかな。
ヨウコが夢で感じた穏やかさは、ヨビコと小堂で過ごす穏やかな時間。隆彦さんじゃないみたいと笑ったのは、そんなヨビコと過ごすうちにこんなにも楽しそうに笑うようになったヨウコ自身の切ない可笑しさ。そんなふうにも思いました。
ヨビコは後ろめたさを感じていましたが、その優しい気持ちはゆっくりとヨウコの心の傷を癒していったんですよね。
別れ際にヨウコが目で追ったのはあくまで飛び出したヨビコの声と気配だと思うのだけど、もしかしたらすでに心の通じ合っていたふたりなら、ヨウコには妖であるヨビコの姿が見えたかも…、なんて思ったりしてもいいではないですか。

あとどうでもいいことですが、今週のお話がとても良かったのはきっとヨウコが美人だったからだと断言出来ます。美人でしかも笑顔がカワイイ。「ダ~メ」にはキュンときました。
ヨビコは姿を消したけれど、彼女はきっと幸せな人生を送ったはずと思うのは間違っていないですよね。
ところでこの『夏目友人帳』は、第1期から前期まで、およそ貴志と妖、妖を通じての貴志と人、引き続き貴志と友人、という成長を描いてきていて、そろそろ終盤のステージ、貴志と家族、つまり藤原夫妻との関係を描くのかなと思っているのですけれど。どうなのかな。第5期のことは分かりませんが、もしシリーズが今期で終わるのなら貴志と家族との絆を最後まで見届けたいのです。貴志は本当の自分を夫妻に打ち明けることが出来るのか…。貴志が藤原夫妻を大好きなように、視聴者だって藤原夫妻のことを大好きだと思うから。

何と言うかアレですよ、この作品でいちばん可愛いのは塔子さんだと思いますよね。ホントにもう。
# どこかで聴いた声だと思ったらヨビコの CV (中野裕斗さん)が『蟲師』のギンコの中の人でしたね。『蟲師』も名作で好きな作品です。
夏目友人帳 肆 第05話 「過ぎし日の君に」 感想
夏目友人帳 肆 第06話 「硝子のむこう」 感想
夏目友人帳 肆 第07話 「人と妖の間で」 感想
夏目友人帳 肆 第08話 「惑いし頃に」 感想
夏目友人帳 肆 第09話 「月分祭」 感想
夏目友人帳 肆 第10話 「祀られた神様」 感想
夏目友人帳 肆 第11話 「一枚の写真」 感想
夏目友人帳 肆 第12話 「記憶の扉」 感想
夏目友人帳 肆 第13話 「遠き家路」(最終話) 感想
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